日中友好40周年記念フォーラム東京宣言
国際アジア共同体学会主催・北東アジア学会共催
日中友好40周年記念フォーラム東京宣言
トラック2外交機関として国際アジア共同体学会は、共催機関・北東アジア学会とともに、日中友好40周年にあたって、日中友好こそが、21世紀アジアの世紀のかなめであり、東アジア共同体構築の条件であるとの強い認識の上に立って、以下の宣言をいたします。
1.日中間の大学、大学院生、及び教育機関相互の相互交流のために、予算上の措置を積極的に取ることを、双方の要路に求め、併せてキャンパス・アジア計画のさらなる推進を求めます。
2、アジア経済一体化とポスト・グロ-バル化の進展を踏まえ、東アジア地域統合を進め、東アジア共同体構築へさらなる前進をはかることを、関係有路に求めます。
3、米国主導のTPP優先路線ではなく、2012年日中韓サミットの合意に従い、日中韓FTA締結を日中間の最優先外交課題として位置づけて、その早期締結をはかることを、要請します。
4、尖閣諸島(中国名・釣魚諸島)の領有権問題に関して、日中友好条約批准書交換時の基本了解に従い、領有権に関する双方の食い違いを認めた上で、なおも次世代に解決を委ね、現状維持を継続する基本姿勢を貫くことを、日中双方の要路に強く求めます。
5、その上で、両国の戦略的互恵関係を推進すべく、2008年、福田康夫・胡錦濤両首脳間で交わされた合意、及び2010年、鳩山由紀夫・温家宝両首脳間での合意再確認に従い、東シナ海ガス田共同開発の実現に向けて、事態の前進を図ることを、強く求めます。
6、日中間の防衛武官の一層の相互交流を進め、両国間の防衛当局間の相互理解の推進を図ることを、提案します。
7、オスプレイの配備等によって極東の軍事緊張をいたずらに高める措置を取らないことを、日本政府に求め、併せて、両国の軍縮軍備管理のための専門家会議の開催を提案します。
8、南シナ海における中国の海洋進出が、ASEAN諸国との緊張を高め、対中不信を醸成する事態の展開を憂慮し、中国側の自制を求め、南シナ海海洋法秩序の実効化への合意に進むことを、中国はじめ関係諸国に、強く求めます。
2012年8月3日
東北宣言 2012.3.21
第1回国際アジア共同体会議2012(東北フォーラム)
私たち国際アジア共同体学会は、北京宣言(2007年7月)以後の地域統合の新展開を踏まえ、3・11東日本大震災一周年を期し、以下の条項を東北宣言として採択します。私たちは、この宣言を政策アジェンダとして共有化しともに知識共同体を構築し、ポスト・グローバル化に向けて東アジアの平和と繁栄に貢献することを謳います。
1 日中韓EPA締結を目指し、アセアン共同体結成との連結を図り、併せて日中韓首脳会議常設事務機関(在ソウル)の日本支局の設立を提言し、トラック1・5機能の強化を図ります。
2 東シナ海ガス田共同開発を進め、アジア・エネルギ―安定技術協力機構を設置し、日中韓アセアン・エネルギ―協力体制の構築を提言します。
3 東アジア域内の海洋を「平和の海」とし、対テロ海賊対策と平和維持活動での日中韓3国の協力関係の強化を目指します。
4 フクシマの教訓に学び、ソフトエネルギ―・パスへの道を拓き、アジア・グリーンファンドと共通環境税の導入によって、アジア・グリーングロースを実現します。
5 アジア共通通貨バスケット制度の構築を急ぎ、共通貿易決済システムを拡大強化するとともに、アジア投資銀行を新設し、アジア債券市場の強化と、域内金融取引税制の構築を図ります。
6 日中食品安全(鳩山)イニシアティヴを復活稼働させ、フクシマ後のアジア食品交易活発化の仕組みを整備強化し、コメ緊急備蓄システム(EARRS)と食糧技術支援を軸にアジア共通農業政策の構築を図ります。
7 アジア中小企業宣言を作成採択し、相互技術教育支援システムを軸に、アジア域内「ものづくり」資本主義体制構築のための相互資金技術協力の仕組みをつくることを提言します。
8 日韓海底トンネル建設に向け共同投資を進め、アジア・シルクロードの実現をともに目指します。
9 「アセアン+3」域内における文化首都を、毎年持ち回りで制定し、アジア伝統文化に根差した新アジア共通文化の育成普及を図ります。
10 ワンアジア財団講座のネットワーク化を進め、既設アジア共同体関連講座の常設化を図り、併せてキャンパス・アジアとの連携の道を探ります。
2012年3月31日 仙台、東北大学にて
北京宣言 2007.7.24
東芝国際交流財団の助成により開催された国際アジア共同体学会、北京会議で、私たち会議参加者一同は、二日間にわたる討議を踏まえ、政策共同指針を発表し、東アジア共同体の構築に資することを宣言する。
1、私たち日中韓三国の知識人は、共同体構築のために、国境を超えた「トラック2」政策研究交流機関として、政府と民間の積極的橋渡し役となるべく、一層の交流啓蒙のネットワーク化を進める。
2、06年第一回東アジアサミット以来の確認に従い「アセアン+3」が東アジア共同体形成の「主要な手段」であり「アセアン+3+3」が「重要な役割」を果たすことに留意しつつ、学会として今後、日中韓3国に加えアセアン諸国からの学会参画を求めていく。
3、ポスト京都議定書レジームの形成に向け民間企業と連携した「東アジア・グリーンファンド」創設の可能性の政策化を検討する。
4、欧州経済共同体の経験にならい、貿易自由化から受ける利益を原資とした東アジア共通農業政策の具体策を検討、政策化の啓蒙をはかる。併せて東アジアコメ備蓄システム(EARRS)を強化すべく、国内に食料備蓄基地創設の方途を検証、開発と飢餓に対処できる東アジア食料安全保障レジーム政策化の道を検証する。
5、現存の域内自治体交流ネットワーク事業である日本CLAIRと韓国KLAFIRの共同連携化の道を検証し提言する。
6、今日不統一の日中韓3国の携帯電話の技術標準化を、EUに倣って、第4世代機種に向けて統合すべく、政策化を検証する。
7、域内学術研究交流が、東アジア共通地域意識を発見、醸成し、域内統合に不可欠な役割を果たす現実に鑑み、学術研究交流の緊密化をはかる。
8、半世紀にわたる欧州統合の歴史過程に学び、東アジア共同体の将来を担う次世代人材育成のために、ASEM(欧州アジア委員会)等と協力しつつ、各教育機関内に「東アジア共同体研究」講座開設の道を拓く。
2007年7月24日 北京 中国社会科学院にて